「20代の最近入った新卒が考えていることがよくわからない」
「コロナで飲みに行くことができず、中堅社員とコミュニケーションが取れない」
「部下の態度を見ていると、自分への対応がよそよそしい感じがする」
コロナ禍ということもあり、コロナ禍前よりも多くなってきている悩みですが、部下である彼らの特性を踏まえれば「部下と円滑な関係」を築くことは難しいことではありません。
当原稿では、各世代の特徴を紹介しつつ、世代の異なる部下に対して、どのように接すればよいか、また、どういった心構えであればストレスを溜めないか、について紹介します。
今の20代~30代の価値観や考え方を踏まえた方法ですので、「上司を批判する部下」に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
部下が上司を批判する3つの理由
まず、部下が上司をなぜ批判することになるのか、その理由を挙げてみたいと思います。
①上司の考えている意図が分からない
案外多いのがこの理由です。実は、上司のことが嫌いといった理由ではなく、上司の視点に立ったことがないから、どういったことを優先的に考えているのか、がわからないケースです。
②自分が大事にされていないと感じる
私も定期的に書店に訪れ、どういった本が売れているのかを見たりしていますが、最近、「自己肯定感の上げ方」「自己肯定感を高める方法」といったキーワードの書籍を見ることが多くなっています。
これは、「自分という存在を認めてもらいたい」「働く意義を見い出したい」「社会に役立っている実感が欲しい」というニーズが高まっている証拠だと言えます。
特に、若年層にとっては、そういった傾向が強くあるため、自己肯定感を高めるような取組が重要になってくるということです。
③批判すると自分がそれよりも上にいると感じる
これも多いですが、批判するということは自分の方が上にいるということを認識できるからです。批判する以上、全ての状況を把握したうえで、相手が間違っているという根拠を示している、と認識し、相手よりも上にいるという感情になります。
役職であり、自分という存在を高めることができる方法としては有益な方法です。
しかし、そもそも人事評価を行うのが、上司であるため、こうした方法がプラスに働かないという理性的な判断ができない自分を客観視できないということでもあります。
部下と良好な関係を築くための3つの方法
では、部下と良好な関係を築くための方法とは何でしょうか。世代をまたがると価値観や背景は大きく異なります。音楽番組でも、世代別に流行した音楽が紹介されますが、まったくわからない音楽がランクインしています。
自分が10代・20代だった時のことを思い出していただくと良く分かることではありますが、当時は自分の親世代に対して抱いていたことが、現在の若手や中堅世代が抱いている感情と同じです。経験を重ねることで見ている景色が彼らには見えていないということを前提として理解する必要があります。
①具体的に話すようにする
部下に対して、「君には期待しているんだから頼むよ」「もう少し、視座を高く持ってくれないと困るよ」といった抽象的なアドバイスをされる方がいますが、はっきり言いますが、そういった上司は部下から支持を得ることができません。
相手に対してオブラートに包んで話しているつもりかもしれませんが、相手からすれば「もったいぶった言い方をしてくるけど、こいつは何を言いたいんだ?」と、疑問を抱いてしまっているのです。
最近の20代~30代は抽象的な含みのある言葉には理解を示しません。
年齢を経るようになると、言葉の行間を読むようになります。それによって、コミュニケーション相手の背景を理解し、感情移入することになりますが、相手はあなたと同じ経験や価値観を持っているわけではありません。
率直に言いますが、「具体的に言わなければ、理解してもらえない」のです。
ですから、具体的に、例示しながら、5W1Hを明確に伝えることが重要です。
②相手を理解しようとする姿勢を出す
何も無い状態から自分の意見を伝えるのは望ましくありません。
何をするかを合意形成できていない状態で話をしだすと、自分が無意識においている前提を根拠として話をすることになるからです。
たとえば、
「今日、〇〇さんに話を聞きたいんだけど、〇〇という目的があって、改めて○○さんが考えていることを聞きたいと思っています。○○について、率直に話させてもらいたいんだけど、いいかな?」
といった形でゴールを明確にしたうえで、相手に対して安心感を抱かせることが重要です。
また、否定をしないということも求められます。
相手を非難しているつもりはないかもしれませんが、話をしていると口癖のように、「たださ、・・・」と否定すること、「なるほど、こういうことだね・・・」と勝手な解釈を当てはめることがあります。
これが20代~30代からした場合に耳を閉じることになります。我々が10代のとき、学校の先生の枠組みで理解しようとされたときにどういった感情を抱いたかを思い出してください。
その時、まずは共感してもらいたいと思ったのではないでしょうか。
理解はせず、共感するようにすることが大事です。
③目的が共通していることを示す
同じ会社に入り、同じ時間を共有している以上、
会社で実現する目的は同じはずです。多くの職業は何らかの問題に対して、解決を図ることが仕事です。その問題を解決する仕事であることを共有することが有効です。
需要があるからこそ、仕事が存在するわけであり、その仕事を解決することは少なくとも、仕事に従事している人間は自己肯定感を高めるためには重要な要素となります。
なかなか、踏み込めない部分だったりするため、自分は仲間であり、目的を達成するために同じ釜の飯を食うんだということを認識してもらうようにしてください。
案外、部下は社外の競合企業よりも社内の上司を敵と考えているケースがあります。
まとめ
部下が上司を批判する際、一概にどちらが悪いということは言えません。部下が恣意的な理由で批判する場合、勇気を出して上司のハラスメントを告発するケースもあったりします。
いずれにしても、自分の価値観や考え方が正しいという前提に立つのではなく、相手がどのように捉えるか、という視点に立つことが、令和時代のマネジメントでは求められていると言えます。
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